ジェイル・ザ・ゲイム-Jail the Game-6









神出鬼没―――。

不敵な笑みを浮かべる男、レイト・アムカマラ。

「何の用だよ。」

「キミに会うのは二度目だね。お久しぶり、オレのこと覚えてる?」

覚えてるも何もついこの間会ったばかりだろ。
この男は本当に一緒にいていい気分がしない。どこか信用ならない、気持ちの悪い空気を持っている。今すぐにでも騙されそうな、殺されそうな、そんな妙な空気を。

「今日こうやってキミの前に現れたのは他でも無い、アリセについて話がしたくてね。」

不思議とミラーハウスには誰もいなくなっていた。おそらくこの男が何かしたのだろう。

「シギノくんはさ、【審判】のことはもう聞いた?」

朝兎は昨日アリセに聞いたことを思い出す。『お前には関係無い』そう言われた。

「いや…。あいつに聞いたけど、関係無いとか言いやがった。」

するとレイトは小さく舌打ちをした。
その顔はいつものニヤニヤと緩んだ顔では無く、狂気に満ちた苛立ちの表情だった。

「ったく…あの女。」
レイトの変貌振りに背筋に悪寒が走る。

「じゃあ申し訳ないけど俺の口から話させてもらおう。キミは【審判】について知りたい?」

知りたくない、と言えば嘘になる。ずっと気にはなっていたがアリセが口を開かないから深く追求しなかっただけの話だ。

「知りたい筈だよね。けれどこの話を聞いたらキミはきっと後悔する。アリセリア・シュワルツマドンナに関わったことをね。それでもいいのかな?」

レイトは相変わらずニヤニヤと笑っていた。

「構わない。」

「もう後戻りはできないよ。それじゃ、大事な【審判】のお話をキミにしてあげよう。」

まるで紙芝居を始めるかのような、そんな口ぶりでレイトは話を続けた。



「【審判】ってのはジェイルにあるルールみたいなモノで、なんてことない簡単な話だ。ややこしいことなんて一つも無い。けれど厄介なことこの上ない。」

話をややこしくしているのはレイト自身ではないかと心の中で思ったが、そこは黙っておいた。
そこで口を挟めばさらにややこしいことになるのは目に見えていたからだ。

「【ロウ】の話は聞いた?」

朝兎はいや、と首を振る。そうするとまたレイトは蔑む様な目をした。
呆れたような表情を瞬時に消し、小さく溜め息をついて再び口を開く。

「【ロウ】はジェイルに参加した人間に与えられる力だ。
オレも持ってる、アリも持ってる。ジェイルに参加してる奴にはヴァーメインを排除する為に力が与えられる、それが【ロウ】だ。
キミも見ただろう?アリが使っていた鎖でできた大きな鳥かご。」

最初に公園で見たアレだ。朝兎は自分の記憶を辿り、アリセと出会った時のことを思い出す。自ら傷を負ってまでこじ開けたあの檻。

「まぁ人によって形や性能は変わるんだけど、大体あんな感じかな。ロウの話はこのへんにしておこうか。
えっと、そうそう、ジェイルってのはロウドの人間に見られてはいけない、っていう規則があるんだ。これもゲームのルール。
けれどもし、それがロウの外であったら記憶を消すことができる。勿論ジェイルの記憶のみをキレーにね。
だからキミが傍からアリセリアやロウを見ていただけなら記憶を操作するだけで済んだ。
しかしキミはロウの中へと侵入し、あまつさえヴァーメインを蹴り殺した。」

朝兎の背筋に冷や汗が伝った。言われた順に記憶を甦らせる。
確かに俺はあの檻をこじ開け、中に入り、アリセを守るために化物を蹴り倒した―――。

「これはさ、ジェイルの番人からしたら大問題な訳。ルール違反、レッドカード、即刻退場。
だってそうだろう?自分ひとりでRPGゲームをやってるのに部外者がボスを倒したら誰だって怒る。キミはそういうことをしてしまったんだよ。」

レイトの目が凍りつくような視線を送る。それをぐっと歯を食いしばって堪えた。
早く審判の話をしろよ、心の中で去勢を張る。

「けれどこういうことは稀にある話でさ、ロウドの人間に罪は無いってことになるんだよ。
つまり今回の場合はアリセリアの注意不足、つまりは裁かれるのはカノジョ自身。キミに罪は無い。」

表情がまたニヤニヤ笑いへと変わる。
けれど朝兎には気味の悪いどろどろとした焦燥感に駆られた。


―――嫌な予感がする…早く話を進めてくれ。


「審判はその為の制度。ルール違反を犯した場合、ジェイルの番人が条件を出す。選択肢は主に二択。その内の選択肢の一つは決まってる。なんだと思う、シギノアサト君?」

心臓が言うことを聞いてくれない。バクバクと五月蝿く鳴り響く。
落ち着け、落ち着け、自分にいくら言い聞かせても鼓動は言うことを聞いてくれなかった。

「勘のいいキミならわかるだろう。」

呼吸をするのさえままならなくなっていた。
心の中で先の言葉を予測し、それを否定して欲しいと願っていた。自分の思っていることは違う、だからどうか別の言葉を発してくれ―――。
しかしそれの願いは簡単に裏切られた。レイトの言葉によって。



「そう、ロウに侵入した人間を殺すことさ。」



緊張の糸がぷつんと音を立てて切れた。



さも楽しそうにレイトは声を上げて笑った。高らかな笑い声では無く、クスクスと息を漏らすような嫌な笑い。

「大体の人間はその選択肢を選ぶ。殺すのが手っ取り早いからね。それにもう一方の選択肢は選べない場合が多いから。」

「…選べないって、どういうことだよ。」

乾ききった口内をこじ開けるように言葉を放つ。しかし言った瞬間に勘付いた。

「そうだな、どうせアリの場合ならキミを殺すか、マナカユートを殺すか、その二択だろうな。」

その瞬間、朝兎の中に怒りを帯びた電流のようなものが走った。
怒りの矛先は自分でもどこに向かっているのかわからない。

目の前にいる男が他人事のように笑っているからか、アリセが自分の中だけで問題を解決しようとしていたからか、それとも―自分自身の不甲斐無さからか。
だから渋っていたんだ、アリセは。だから聞かれても何も言わなかったんだ。

何故、気付かなかった―――。

「シギノ君、大事なお知らせがあります。」

朝兎は苛立つ感情を抑えてレイトを睨み付けた。

「審判が下るまでの猶予は三日間です。

問一、三日間とはいつから三日間のことでしょうか。
問二、アリセリアは今どこにいるのでしょうか。
問三、現在、夕刻の五時。キミがアリセリアと初めて出会ったのは何日前の何時でしょうか。

しんきんぐたーいむ、チッチッチッチッチ………。」

三つの問いに対して脳みそをこれ以上無いほどに回転させた。
最初にあいつと会った時!?そんなもん覚えてるかよ!

…待てよ、よく思い出せ。

あの時アリセに会う前に赤月、芹沢の三人で時計を拾った。それであいつを追いかけて、見失って、そこでどうしようかと思った時に―――懐中時計の文字盤を見た!
そうだ、あの時に文字盤を見たんだ!時計の針が指していたのは…


五時五十分―――。


きっと三日間というのは出会った時から三日間だろう。つまりあの時から、今日が三日目。
あの日公園でロウの中に入ったのが六時とすれば…。

「くそっ…!あと一時間も無ぇじゃねぇかよっ!」

朝兎は堪らずに駆け出した。
朝兎の去ったミラーハウスの中でレイトは独り言を呟く。


「問一、問三、は解けたみたいだけど、問二は解けたのかな?」


そして闇に溶ける様に姿を消した。



鏡が、反射して映る自分の姿が、憎くて仕方なかった。できることなら鏡を一枚一枚蹴り割ってやりたいところだったが、そこは理性が止めてくれた。
やっとの思いでミラーハウスから出ると、そこには赤月と芹沢が首を長くして待っていた。

「遅―い、朝兎。何してたの?まさか鏡に映る自分の姿に見とれてたとかぁ?」

芹沢の言葉など頭に入って来ない程に焦っていた。
脳が判断したことは、そこにアリセがいないという事実だけだ。

「アリセはっ!?」

息を切らせながらも問いかける。それに赤月が答えた。

「用事を思い出したって言って先に帰るって…。鴫野くん、どうかしたの?」

「くそっ!芹沢、赤月、悪いっ!先に帰るわ!」

「ちょっ、朝兎!…って行っちゃったし。」

既に朝兎の足は先へと進んでおり、聞く耳など持ってくれなかった。

「どうしたのかな…。」

いつもと様子が違うことに気付き、赤月が呟く。そして芹沢が真面目な顔で呟いた。

「追いかけよう、何かあったかもしれない。」

二人は既に見えなくなっている朝兎を追いかけようと足を進めた。



息を切らせて走ってはいるものの、果たしてどこに行ったらいいものか。朝兎は行く当ても無くただ駆けていた。信号が赤になり、それを利用して少し休みつつ考える。


『アリセリアは今どこにいるのでしょうか』


無情にもレイトの言葉が頭の中を何度も過ぎる。
アリセは今どこにいる?

よく考えろ、あいつの行きそうな場所だ。落ち着け、考えればわかる、冷静になれ…。
審判を下すってことはジェイルの番人と会うってことだろ。つまりはロウを解放しなければならない、つまりある程度の環境が整っていないと駄目な筈だ。
家?まさか、それは無いだろ。学校…いや、違う。
最初に会った時は公園で―――。


そうだ!公園だ!最初に会った公園。


もしかしたら違うかもしれないが、今は一か八か賭けるしか無い!
朝兎は地面を蹴った。青信号の間に流れる間抜けな音楽が、自分を嘲笑っているようだった。

時計を見れば時刻は五時十五分―――。

ここから公園までは…走って三十分というところだろうか。くそっ、ギリギリじゃねえか!
あの童顔バカ女、ぜってぇ一発殴ってやる…!
そんなくだらないことを考えながらも朝兎はひたすら街中の景色を切り裂くように走った。





 少女は闇の中にいた。溶けるような漆黒の中に、自らの身を浸していた。

この黒は慣れた黒だ―――。

怖くも無ければ不安も感じない。この闇の中でずっと一人だったのだから。けれどいつからだろう、こんなにも孤独が怖いと感じるようになったのは。
少女の目の前にはフードを被った人間がいた。人間と呼べる存在なのかもわからないのだが…。

「1992号、アリセリア・シュワルツマドンナ。」

地の底から響くような声で自らの名前を呼ばれ、アリセは一歩前に出た。

「審判を言い渡す。此の二択の内、選べる選択肢は一つ。心して選定せよ。
一つ、ロウ内に侵入した人物、シギノアサトを失命させること。
一つ、マナカユートの肉体、及び魂を滅すること。今こそ審判の時。
もう一度言い渡す、心して選定せよ。」

アリセはフードに身を包んだジェイルの番人を見上げた。


「私は―――。」



地面を蹴って、息を切らせて、ようやく目的の場所へと辿り着いた。
公園内の時計を見れば針は五時四十分を指していた。思ったよりも早く着いたらしい。
一先ず朝兎は安堵の息を漏らした。

公園内を見ればそこには以前見たことのある鎖でできた鳥かご、アリセの持つロウの力が具体化されて現れていた。
あの時と同じで、深紅の薔薇が咲き乱れ花びらが舞い散っている。

その鳥かごの中央にアリセは立っていた。

「アリセ…?」

くたびれた足を前に進めながら朝兎は呟いた。なんだかいつもと様子が違うように感じる。

「聞こえてんのか?」

鳥かごの前まで来て独り言のように呟けば、目の前の鎖はずぶずぶと地面へと沈んでいく。やがてはその姿を跡形も無く消えてしまった。
アリセは未だこちらに背を向けている。目の前にいるのは本物の、先程まで遊園地ではしゃいでいたアリセなのかと疑ってしまう。

「【審判】とか言うのはどうなったんだよ。」

核心に迫った質問をすれば、やっとアリセは口を開いてくれた。

「知っていたのか?」

「いや、今さっきレイトとかいう奴に聞いた。」

「そうか…。」

今までに無い、冷たい口調。やはりおかしい。

「私に言い渡された選択は二つ。お前を殺すか、ユートを殺すかだ。」

レイトの言った通りだった。けれど直接的な言葉でアリセ自身から聞くと、心に何かが刺さるような気分がする。

「私が選んだのは―――。」

素早くアリセは体勢を低くしロウの力を解放する。一瞬で先程の鳥かごが姿を現し、地面から大鎌が振り抜かれ、その鋭い刃を朝兎の首筋につきつけた。



「前者、シギノアサトを殺すことだ。」


心の中ではわかっていた。
天秤の皿に自分と悠兎という恩人を乗せれば、アリセは真中悠兎を選ぶと。

けれどその現実をつきつけられると驚きで声も出なかった。襲い掛かる感情は驚きと、そして悲しみと、怒り―――。
自分が思って以上に衝撃的で、ポーカーフェイスをつくることは難しかった。

「俺を殺せば時計も手に入るもんな。一石二鳥ってとこか。」

強がってそんな言葉を吐いて見せた。
アリセは表情も変えず、微動だにせず鋭い目で朝兎を睨み付ける。

「なんとか言えよ、ガキが。」

するとアリセは鎌の柄で朝兎を殴った。
あの小さい体にどれだけの力があるのだろうか。朝兎は思い切り吹っ飛ばされ、鎖に体を打ち付けられる。

「がはっ…!」

思わず情けない呻き声が出た。顔を殴られ、脇腹を強打した。地面に膝をつきながらも脇腹を押さえる。すると目の前にアリセが来たのがわかった。

「殺すなら…さっさと殺せ、クソが。」

アリセは怒りを一層高め、鎌を振り上げた―――。



見失いながらも朝兎を追いかけた芹沢と赤月は、走っている間にどこに向かっているのかを勘づき始めた。
チシャ・ワンダーランド付近の道はそう複雑では無い。街を縫っている内に、朝兎の足が近くの公園に向かっているのがわかった。

そして辿り着いた瞬間、目に飛び込んできた光景がコレだ。

そこには妙な鳥かごのがあった。非現実な大きさの奇妙な物体。
その中にいるのは先程まで一緒に遊んでいた朝兎とアリセ。一瞬で状況を把握できる訳が無い。
そしてアリセは身の丈以上の大きな鎌を朝兎に向かって振り上げている。

「朝兎っ!!!」

芹沢は膝を付く友人の名前を叫び、赤月は驚きで声を上げられずただ口を手で覆った。


そして鎌が、振り下ろされる―――。



風を切る音がした。
ああ、死んだ。

そう思ったのだが、大鎌は自分の首の真横でピタリと止まっていた。
そこで気付く。ああ、首が繋がっている。そして生きていると。

とっとと殺しやがれ!そう発破を掛けようとしたのだが、アリセの表情を見て朝兎は言葉を失った。



「…きない。」


微かに聞こえる声。
手中から鎌が落ち、地面に吸い込まれていった。そしてアリセは膝をつき、両手で顔を覆った。



「私には、出来ない…。」



消えてしまいそうな、悲痛な声だった。
朝兎はその豹変振りに戸惑いながらも、アリセの名を呼び、顔を覗き込んだ。

目を潤ませるのは、いつものアリセだった。

両手を外したアリセは何か重荷を下ろしたように笑った。今までで一番穏やかで、柔らかな笑顔だった。

「お前を殺すことなど、出来るはずが無かった。」

朝兎は黙ってアリセの言葉の一つ一つを拾った。

「みんな、みんな、私などという小さな存在を認めてくれた。
初めてだったんだ。学校も、友達も、お弁当も、おかえりも、ただいまも、遊園地も。
ノノも、リンも、ミズキも、ユズも、そしてアサト、お前も。心から大切だと思える人達だから
そこからお前を奪うことなど出来ないし、私自身の手で死に至らしめることなど無理だったのだ。」

すると鳥かごがまた地面に吸い込まれていった。
アリセは立ち上がり、朝兎に背を向けた。


「私はユートを死なせない、アサトも死なせない。」


強い口調で言うと、そこに第三者の声が入る。

「心得た。」

気付いた時には既に遅かった。
アリセの周りに再び鎖が現れ、二人の間を断ち切るように鳥かごの形が出来上がっていく。

「アリセっっっ!!!」

鳥かごの中で、少女は涙しながらも答えた。
振り返り、これが最後だとでも言うかのように。


「お前といた時間は長すぎた。そして…楽しすぎた。ありがとう、朝兎。私は幸せだったぞ。」


鳥かごに駆け寄れば、アリセの足はまるで沼にはまったかのように沈んでいく。
その背後にあの男、レイト・アムカマラがどこからともなく姿を現した。

「審判に対する拒否行為と見なし、ジェイルの掟に則り一九九二号、アリセリア・シュワルツマドンナの魂を滅する。意義は無いな。」

アリセは微笑み、目を瞑った。

「無い。」

そしてレイトはアリセの顔に手を翳した。するとまるで気を失ったかのように、アリセはその場に倒れこんだ。

「アリセ…アリセっ!!!てめぇ答えろよっ!ふざけんな!」

がむしゃらに叫んだが、朝兎の声がアリセに届くことは無かった。



考えてる暇など無いと思った。と言うよりも体が先に動いていた。
あの時に出来て今出来ないことは無い。徐々に地面へと消えていくアリセの体を見ながら、その鎖に手を掛ける。

「くっそ…!!!」
それを一瞥し、レイトは姿を消した。
あの時以上の激痛が手に走った気がした。けれどこの手を離すわけにはいかない。

あいつを死なせる訳にはいかないから―――。

手から滴る血を見て、赤月が駆け寄った。

「鴫野くんっ!やめてっ、手が!!!」

「ののちゃんっ!危ないって!」

しかしそれを芹沢が止める。

「ぐ…くそっ…!開けよこらぁっ!!!」

咆哮にも似た唸りと共に、朝兎は檻をこじ開けて中へと入った。

転ぶようにしてアリセの元へと駆け寄る。そこにはもう半分以上地面に引きずりこまれたアリセがいた。それを必死に上へと引き上げる。
次第に朝兎の足も沈み始め、抵抗できないことを理解させられる。朝兎は咄嗟にアリセの首にかかっている懐中時計の鎖を引きちぎった。

「赤月っ!!!」

それを赤月に向かって投げる。
檻の隙間を通り、金色の懐中時計は赤月の手の中に届いた。

「それ、頼んだ!」

「鴫野くんっ!!!」

徐々に沈んでいく体。もがけばもがくほどに上がれなくなる。まるで底なし沼だ。
もう肩が呑み込まれつつある。

「朝兎っ!!!」

不安そうな声で芹沢が呼んでいる声がした。

赤月と二人でロウの外にいる。それを見て朝兎は笑みを投げた。
大丈夫だ、と言い聞かせるように。

赤月と芹沢を残し、全てが地面に呑まれていった。


鳥かごを形成していた鎖も、アリセも、そして朝兎も―――。







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